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  • 執筆者の写真川口建

明治の新聞記事から五代友厚を読む #003

神戸事件に関連し下記新聞記事を紹介します。 この国書「王政復古御布告書」は新政府として発令する国書第1号です。 この書を以て対外的に新政府成立を公表する儀式が慶応4年1月15日正午から神戸運上所で行われた。新政府側は国書を携えた外国事務取調掛の東久世道禧以下5名、外国側はアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、プロシア、オランダの6ヶ国の公使。儀式は衣冠束帯姿の東久世の国書朗読から開始された。 新政府は王政復古以降、対外的な公表を検討していたが、国内情勢の混乱もあり、準備が整わず延び延びとなっていた。しかしながら、予期せぬ神戸事件発生(11日)により、対外問題を解決するため、新政府の立場を明確にするために急遽発令を実行した。 ただ、発令日付が神戸事件前日の10日とある点については、新政府がこの事件対応のためにあわててとり急いだと思われないために、遡って日付を設定したという説が有力である。 「王政復古御布告書訳」 日本国天皇は各国の帝王およびその臣人に告ぐ。嚮(さき)には将軍徳川慶喜、請うて政権を帰せり。制(おさ)めてこれを允(ゆる)し、内外政治、これを親裁す。すなわち曰く、従前の条約は大君(将軍)の名称を用いるといえども、今よりして後は、まさに天皇の称を以て換うべし。而(しか)して各国交際の職は専ら有司などに命ず。各国行使、この旨を諒知せよ。 慶応四年正月十日  印 「要約」 わが国の政権は将軍から天皇に移ったが、外国との条約は従来通りであって(条約中の将軍職名は天皇命に換える)、対外交渉の職には担当の官員を命じるから、各国公使は諒承してほしい。


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