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  • 執筆者の写真川口建

「朗報」五代の名誉回復に進展(開拓使官有物払い下げ事件」

Dream五代塾八木孝昌顧問から下記の朗報を頂きました。


先日大阪であった教科書見本市で新教科書が公開されたのですが、清水書院が従来の、


「開拓使の廃止を前に、長官の黒田(くろだ)清隆(きよたか)が同じ薩摩出身の政商五代(ごだい)友(とも)厚(あつ)に、約2000万円を投じた事業を38万円余という不当に安い価格で払い下げようとして問題となった。」

という説明から、

「開拓使の次官に1870年に新任して以来、黒田清隆(1840~1900)が事実上、北海道開拓の責任者であった。1882年に開拓使が廃止されることが予定されており、黒田は開拓使が約2000万円を投じた事業を守るため、38万円という不当に安い価格で同じ薩摩藩出身の政商五代友厚の経営する「関西貿易社」に払い下げようとしていると新聞が報じて問題化した。」 (清水書院『日本史探求』)

という記述に変更していることが判明しました。


つまり、「黒田が政商五代に官有物を払い下げようとして問題になった」という記述が、「黒田が政商五代に官有物を払い下げようとしていると新聞が報じて問題化した」と変更されたのです。前者は虚偽ですが、後者は事実です。

清水書院のこの記述変更の意味は限りなく大きいと考えています。日本史教科書会社6社のうちの一社が「記述見直しを求める会」からの要望を受けて記述変更をしたことになるからです。このままですと日本史の教科書群は一つの歴史事象について異なる説明を併存させることになり、「どちらが事実関係として正しいのか」が問題とならざるをえません。そうするとドミノ倒し的に従来説の訂正が行われる可能性が出てきます。

昨年暮れに各教科書会社に記述見直しの要望書を送ったとき、児玉隆夫同窓会五代委員会委員長と「どこか一社でも記述変更に応じてくれれば、それが突破口となって問題が一挙に進展するんだけど」と話していたのですが、それが遂に現実のものとなりました。難攻不落の教科書城のうちの1城が落ちたのです。

この課題については、教科書会社への直接的働きかけ以外に、関西テレビが大阪市大で1月に開催された「五代友厚シンポジウム」を中心に据えた五代名誉回復活動の番組を放送してくれたことや、署名活動などが五代無実の世論形成に寄与してくれたと喜んでいます。

また「Dream 五代塾新聞」が連続して五代無実の記事を掲載し続けたのも開拓使官有物払下げ事件再評価のための世論形成の一翼を担ってくれたものと感謝しています。


以上、大変うれしいお知らせです。

Dream五代塾新聞次回第9号(8月1日発行)には、この詳細内容を、八木孝昌顧問の寄稿として掲載いたします。


写真は、関テレ・報道RUNNER 2022年3月23日(水)放送より




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